水虫は、皮膚の下でひっそりと暮らしています。
これは、人の自己防衛力(免疫)による抑制効果もあるのですが、とにかく通常はおとなしいのです。
それが、年に1回程度は増殖して勢力を拡大しようとします。
水虫菌も生きていますので、繁殖するわけですね。
この繁殖の時期は、普通は春から夏にかけての高温多湿な時期になるわけです。
ところが今は冷暖房のある生活になっていますので、この水虫菌の繁殖が各個人の生き方と連動し、寒い時期になると表面化してくる水虫もあるわけです。
私は、寒くなるとやぐら炬燵を使いますので、そうすると下半身が暖められて皮膚温が上昇し、
脚部や下腹部などに潜んでいた水虫が活発に活動するようになります。
このように、人の皮膚に寄生している水虫菌は、その人の生活リズムに合わせて生きているわけです。
次の写真は、下腹部に表面化してきた水虫(発赤状のもの)です。
写真中央部に大きな発赤があり、写真右端上方にも小さな初赤が数個見えます。
これらの水虫は毛穴に入っている水虫で、暖房で皮膚温が高くなっているために急激に増殖して激しい炎症状態になっています。
毛穴に入っている水虫は毛根にまで達している場合もあり、治りにくいとされています。
当道場処理液は皮膚への浸透性がよく、毛穴に入った水虫も簡単に治します。
それでも、この写真のように皮膚症状が表面化した状態でないと水虫菌を殺せないのです。
これらの水虫がじっと潜んでいる間は、いくら処理液を塗ってもまったく効きません。
この例のように、水虫の皮膚症状は季節とともに勝手に表面化してきますので、人の側としては表面化した時に集中的に処理して水虫を根絶させるしかありません。
水虫菌は皮膚や爪を侵食して生きていますので、病歴が長くなるほど皮膚組織の損傷が大きくなっていきます。
その巨大な組織損傷部位に広く水虫菌が散らばっていて、しかもそれらの水虫菌たちがいつ表面化してくるのかわからないのですから、私たちはずっと処理を続けて水虫菌を少しずつ消滅させていくしかないのです。
こう考えてみると、水虫が治りにくいのは当たり前ですね。
水虫患者は、気長に、根気よく処理を続けるしか方法がないようです。