水虫を治すのは、とても大変なことです。
水虫菌は皮膚や爪の組織を蚕食して、これらの組織を半殺しの状態に保ち、その破壊された組織の中で悠然と生き続けています。
さらに厄介なことに、水虫菌とカンジダ菌とが混合感染している場合があります。
このような混合感染が起きている患部では、水虫菌はとても頑強になり、薬剤治療に抵抗します。
つまり、薬剤処理しても治らない、という状況になります。
次の写真は、左ひざ頭横にできている広大な水虫ーカンジダ症混合感染部位です。
皮膚が茶色に着色した、広大な面積を占めている部分が患部なのです。
ここに至るまでにも、覚えていないほどの長期間の処理を続けています。
そのため、この茶色の着色は、水虫が消滅した後の色素沈着物ではないか、と考えていました。
つまり、水虫ーカンジダ症はすでに治っている、と思っていたのです。
それでも、他の部位の処理をする際に、このひざ周辺も処理は続けました。
すると、この部位の表皮が白変してはがれてきました(次の写真)。
つまり、病変はまだ治っていなかったのです。
写真でもおわかりのように、この患部はまだ広大なままです。
そのまま処理を続けるしか、ありません。
このあとも、水虫(毛穴)およびカンジダ症と考えられる皮膚病変が繰り返し表面化してきました。
この間、当道場処理液とダマリンL液(カンジダ治療剤)とを併用しながら処理しました。
そしてようやく、色素沈着物が残ったやわらかい皮膚へと変化してきました(次の写真)。
これだけの巨大な色素沈着物が残っている部位は、他にはありません。
いつ果てるとも知れなかった闘いが、ようやく終わったようです。
これは左ひざなのですが、右側でも程度は軽いものの同じような症状がありました(次の写真)。
手指に爪水虫がある場合には、ひざ頭周辺を爪でかくことも多いですので、このような巨大な患部ができることにもなるのでしょう。
この部位には体毛も多いですので、その毛根に菌が入り込み、重症化します。
ひざ周辺に巨大な感染部位を形成し、いつまでも治らない厄介で得体の知れなかったこの感染部位を、ようやく消滅させました。
この混合感染部位に比べれば、単なる水虫などはひよこ同然です(笑)。