爪水虫は、数十年前までは「不治の病」といわれていました。
そして今でも、爪水虫を治すためには内服薬療法を行うしか方法がない状況です。
この内服薬療法では、5%程度の肝機能障害などの副作用が発生し、また、内臓疾患がある人は内服薬療法を受けることができません。
しかし、爪水虫とはそんなにも治らないものなのでしょうか?
私の判断は、明快にNO!!です。
爪水虫は簡単に治すことができます。
ただし、爪水虫では爪が菌によって侵蝕されて死んでいますので、爪根元から新しい爪が伸びてきて入れ替わるのを半年~1年以上も待つしかない、という不可避な条件はあります。
それでは、爪水虫は治せる、ということをご紹介していきましょう。
最初に、爪組織の簡単な解説をします。
爪の組織
①爪甲は、普通に「つめ」と呼んでいる部分であり、この部分が菌によって侵蝕されて白くなったりすることは皆さんご存知の通りです。
⑨爪床は爪甲の下にある部分で、血管や神経もあるそうですが、菌はこの部分も侵蝕します。
⑧爪母は、爪組織を製造する部分であり、ここにも菌が必要とする栄養が豊富にありますので、菌が好んで住み着く場所になります。
④爪根部はできたての爪の部分で、まだ柔らかいそうです。
⑩爪下皮は,図では爪の下の露出している皮膚部分を表示していますが、実際には爪床の部分にある程度は皮膚が入り込んでいるでしょう。
皮膚には皮膚バリア(角層バリア)が存在していて外部からの侵入物を遮っていますが、爪組織では硬い爪がありますので、これ以外のバリアはないようです。
つまり、皮膚ではバリアがあって水虫薬も通りにくくて、菌は皮膚バリアによって保護されています。
一方爪では爪以外のバリアはなく、そして爪水虫では爪がボロボロになって巨大な孔があいてバリアがない状態ですので、水虫薬は爪患部へと侵入して菌と直接接触することができます。
おわかりでしょうか、無数の孔があいている爪の中へ侵入する能力を持つ薬剤を作れば、爪の中の菌などは一撃で殺すことができるはずです。
今の水虫薬は単に爪への浸透性がないために効かないのであって、薬剤設計を改良すれば良いのです。
もちろん、薬剤成分そのものを変更する必要もあるでしょうが・・・。
少し前置きが長くなりました。
次回は、1回処理で爪水虫を治した症例をご紹介します。
塗るだけで水虫が消える!
爪水虫を治しましょう!