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Channel: 水虫道場
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水虫の症例(Sさん)(3)かかとの水虫

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Sさんの足の爪には重度の爪水虫があり,それらの治療については前2回の記事で記載しました。
今回は、かかとの水虫(角質増殖型水虫)について、ご紹介します。
先ず、処理前の右足の状態を写真で示します。
処理前、右かかと
イメージ 1

写真でおわかりのように、Sさんは足の皮膚や爪を手ではがす、という悪癖を持っています。
水虫になっている皮膚部分を手ではがして、水虫を治そう、軽減しよう、という気持ちであることはわかるのですが、水虫菌はカビですので菌糸が分断されても死にはしません。
水虫を治したいという気持ちはわかるのですが、皮膚をはがしても何の役にも立ちません。
全く無駄な行為です。

それどころか、皮膚をはがすことによって菌が大繁殖し、水虫菌が繁茂した巨大な病巣が出来てしまうのです。
その経過を解説しましょう。
まず、皮膚をはがしことによって皮膚組織が傷つき、体液がしみ出してきます。
その体液に含まれている成分は菌の栄養となって、菌が大繁殖します。
そして、皮膚組織ははがされた部分を補うために新しい皮膚を新生して傷を埋めようとします。
その新しい皮膚は、これまた菌の絶好のエサになり、菌が住み着いていきます。
はがして出来た皮膚部分を修復するために補われた新しい皮膚部分全体が菌のエサとなり、すみかとなっていくのです。
おわかりですか?
皮膚をはがした部分全体が、巨大な水虫の層になるのです。

このようにして、かかとには巨大な病巣が出来ていますので、水虫薬を塗ってもそんなものは焼け石に水です。
巨大な患部が表面化してくるのを唖然としながら見るだけです。
巨大な患部
イメージ 2

この激烈な患部を見ると、あとは薬剤濃度を出来るだけ高めて、処理の効果をあげていくことしか方法がありません。
そして、何ヶ月もの処理を続けて、少し症状がマシになってきました。
少し改善
イメージ 3

マシになったとは言え、まだまだ皮膚には深い亀裂が出来ている状態です。
根気よく処理を続けて、皮膚表面の菌を殺し、そして菌が死んだ部分の皮膚がアカとしてはがれて、少しずつ病巣の皮膚をはぎ取っていきます。
水虫の患部では侵蝕されて死んだ皮膚組織が積み重なっていますので、それを少しずつ除去していき、新しい皮膚組織の新生を待つ、しかないのです。

そして、処理開始から1年ほどが経過して、少しマシな状態、何とか皮膚らしい状態にまで回復しました。
皮膚らしくなった
イメージ 4

Sさんは、皮膚や爪をはがす悪癖を持っています。
これは、いくら説明してもわからないようで、直りませんね。
水虫は皮膚表層だけに住み着くおとなしい感染症ですので、本人が健康なあいだは水虫があっても何の問題も生じません。
たいした問題ではありませんね。



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