水虫は、水虫薬をちょっと塗ったくらいでは治りません。
水虫薬は毎日塗ることが必要であり、それも広い範囲に水虫薬を塗ることが必要です。
1、水虫薬は毎日塗る
水虫薬に含まれている有効成分は、水や溶媒に溶けにくい性質を持っています。
そして、このために皮膚を透過しにくいのです。
皮膚の中に住み着いている水虫菌を殺すためには、ある程度の濃度の薬剤成分が皮膚の中にあることが必要であり、この薬剤濃度を維持するためには水虫薬を毎日塗り続けることが必要です。
水虫薬を毎日塗ることの必要性は、もう一つの理由からもあります。
水虫菌は、皮膚の角層という一番外側の薄い層に住んでおり、大人のカビと子供のカビ(タネ、胞子)が生活しています。
大人のカビは薬剤処理で殺すことができるのですが、タネ(胞子)は堅い殻で覆われていて頑丈であり、水虫薬では殺すことができません。
タネが残っていると、やがては発芽して大人の水虫菌になり、水虫症状が再発することになります。
それでは、どのようにしてタネに対抗すれば良いのでしょうか?
タネは水虫薬では死にませんが、タネが発芽して大人のカビになった瞬間を捉えて、水虫薬成分で殺すことができます。
皮膚下のタネはいつかは発芽するのですが、かといっていつ発芽するのかは全く不明です。
それで、水虫薬を毎日塗って皮膚内の薬剤濃度を維持し、タネが発芽してくるのを待ち構えて殺す、という方法しか残されていませんね。
水虫薬は、皮膚症状が消えたあとも、ずっと塗り続けることが必要です。
いや、皮膚症状が消えたあとこそが大切です。
治った、と思って油断すると、水虫再発が待っています。
2、水虫薬は広い範囲に塗る
水虫による皮膚症状は、もともとあまり激しくはありません。
そして、いつの間にか皮膚症状が見えなくなったりします。
ですから、どの皮膚範囲が水虫であるのか、眼で見てもわかりにくいのです。
「隠れ水虫」という言葉があります。
この言葉は、一見すると正常な皮膚の下に水虫がある、というもので、隠れ水虫は意外と多いのです。
このように、水虫の病巣がどこであるのか、眼で見ても正確にはわかりません。
それで、患部と思える部位にはできるだけ広く水虫薬を塗ることが必要なのです。
市販の水虫薬は少量しか入っていませんので、広く塗れ、といわれても迷いますよね。
まあ、自分で納得できる範囲で塗る、ということになります。
冬至も過ぎ、これからは陽射しも強くなってきます。
いよいよ水虫菌も活動を始めてきます。
生きものを相手にするのは大変です!