酢酸(お酢)は水虫を治せるか?
水虫を治したい人にとって、これは魅力的なテーマですね。
何といっても酢酸は手軽に手に入ります。
私の知人(大学名誉教授)から聞いた話をご紹介します。
この人は、「ぬるま湯の中に酢酸を入れて5%程度の酢酸液とし、その中に足を30分程度ひたす、これを何回か繰り返すと1年くらいは水虫が治る(症状が出ない)」、と教えてくれました。
この話を聞くまでは、私は酢酸は水虫に対して効果がないと思っていましたが、この人は嘘をいう人ではありません。
それで、私自身の水虫に対して5%酢酸液がどの程度効くのか、試して見ました。
私の左手親指爪には爪右端部分に水虫がありました。
それで5%酢酸液を作り、この液を入れた巻き指サックを指先にかぶせて爪患部を数時間ひたす処理を繰り返しました。
すると1週間程度で患部がかなり改善しました。
この処理を行った頃は私も水虫に関する知識が乏しくて、この写真を見て爪が治った!と誤解してしまったのです。
そしてこの段階で処理をやめてしまいました。
本来ならばこのまま処理を続けて、この患部が爪先まで移動して、爪切りで切り取るまで完遂しなければならなかったのですが・・・
この患部はこのまま放置したのですが、菌が生きていますので爪はこのまま修復されて、見た目には正常な爪にまで回復しました。
そしてそのまま十数年が経過したのです。
去年になってこの親指のつま先の皮膚に病変があることに気がついて、その皮膚を治すために薬剤を塗ると何と爪右端部に菌がいることがわかりました。
酢酸処理で治ったはずの患部がそのまま残っていたのです(次の写真)。
爪右端部の患部の形は、酢酸処理をやめたときの形のままですね、恐れ入りました!
この患部は、処理して完治させました。
ところで前の酢酸処理の段階でもし十分な処理を行って爪を正常な位置にまで回復させたと仮定すれば、この爪は治っていたのでしょうか?
私の答えは、NOです。
酢酸はカビの菌糸(親)は殺しますが、子供(タネ、胞子)に対しては無効です。
タネが残ればやがてそれが発芽して、元どおりの形状の患部を再生します。
この種の実例は、私は他にも多く経験しています。
水虫を効率よく治すためには、何らかの方法でタネを消滅させないといけないのです。
恐るべし、水虫!