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Channel: 水虫道場
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角質増殖型水虫の一症例(3)

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角質増殖型水虫の一症例をご紹介しています。
処理前の症状を下の写真に示しますが、この皮膚症状の病原菌はアルテルナリア(植物病原体の一種)でした。

処理前
イメージ 1

この足を処理して障害された皮膚を取り除きました。
すると、一見してきれいな皮膚を回復しました。

回復
イメージ 2

ところが、指や趾間に分厚い皮膚が残ったままでしたので、さらに処理を継続しました。
すると、きれいに見えたはずの皮膚がどんどん変化して、足裏全体に分厚い病巣皮膚が露出してきました。
これがこの水虫の正体であったわけです。

水虫の正体
イメージ 3

この皮膚標本から病原菌を採取し、遺伝子解析を行ってカンジダ菌Candidaparapsilosisであることを確認しました。
この皮膚カンジダ症が原発の皮膚症状であり、そしてこの皮膚を手でいじって傷つけたことなどを介して、植物病原体であるアルテルナリア菌が日和見感染したのです。
皮膚カンジダ症の足裏の症例は、私は初めて見ましたし、貴重なものであろうと思います。
なお、人(ヒト)に対する病原性を有する真菌は僅かしかなく、代表的なものは次の7種類です。
 白癬菌(トリコフィトン属、ミクロスポルム属、エピデルモフィトン属)、カンジダ菌、マラセチア菌、 アスペルギルス菌、クリプトコックス菌。
本来の病巣であるカンジダ症が露出しましたので、処理液濃度を上げて処理することにしました。



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